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「初」と書かれた一本ばかり

1954年の第1号から2022年まで、グランプリの記録を順に読む

広告賞の記録には、「初」と書き添えられた一本がある。この特集はその一本だけを集めて、1954年から2022年まで出てきた順に並べたクマ。 先頭だけは単位が違う。ヴェネチアで開かれた最初の広告フィルムフェスティバルで187本の頂点に立った歯磨き粉のストップモーションで、これは賞そのものの第1号グランプリにあたる。残る7本には、イギリス初やポルトガル初といった国名つきの注釈がついているクマ。西アフリカの農家に預金を歌いかけたカリプソのアニメーションもあれば、新聞社がリアリティ番組までつくって国のリーダーを募った企画もある。最後に置いたのは2022年、ファシスト時代の憲法を青鉛筆のイラストで塗りつぶしてベストセラーになった本だ。

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1956年、イギリスはカリプソに賭けた / Barclays Bank「Put Una Money For There」

BARCLAYS BANK | 1956 | イギリス

1956年、イギリスはカリプソに賭けた / Barclays Bank「Put Una Money For There」

1956年、カンヌで Grand Prix を獲った最初のイギリス広告がこれクマ。タイトルは「Put Una Money For There」。ピジン英語(簡易英語)のカリプソで、西アフリカの農家に「収穫したお金はバークレイズ銀行に預けようね」と歌いかける3分間のアニメーション広告クマ。Ba-ba-ba-boom。この耳から離れないリズム、1956年って考えるとヤバいクマ。

ドイツから来た王様が、カンヌを落とした / PLEXIGLAS「King Acrylius」

ROHM UND HAAS CHEMISCHE FABRIK | 1965 | ドイツ

ドイツから来た王様が、カンヌを落とした / PLEXIGLAS「King Acrylius」

1965年。透明なアクリル板が、アニメーションの王様になってカンヌ映画祭のグランプリを獲ったクマ。ドイツ初の快挙。「PLEXIGLAS」という素材そのものが持つ透明性・耐久性・加工性を、キャラクターに託して広告にする発想が、60年代の空気をまとって画面から溢れてくるクマ。

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