NIKE|San Silvestre Vallecana 2003|2004|スペイン
「クマから逃げるな、クマの前を走れ」 / NIKE「San Silvestre Vallecana 2003」
2003年10月、マドリードの中心部にある彫像「クマとイチゴの木」に雷が落ちて、クマが生き返って逃げ出した——こんなバカバカしいフェイクニュースから始まるキャンペーンが、スペイン初のCannes Lions Grand Prix Digitalを獲得したクマ。いや、これ本当にすごいクマ。
▎背景・課題
1999年以前のサン・シルベストレ・バジェカーナは参加者5,000人に満たず、12月31日当日でも登録できる地元レースだった。Nikeがスポンサーに入り、「Madrid City Attack」の一環としてマドリード市民との感情的なつながりを作ろうと試みたクマ。短期間でレースの認知度を高め、参加すること自体を「憧れ」に変える必要があったクマ。
▎ねらい・インサイト
「GATO NO NACES, GATO TE HACES(マドリード人は生まれるものじゃない、なるものだ)」というキャンペーンが最高だったと当時のNike担当者が振り返るように、マドリード市民としてのアイデンティティに訴えかけることがカギだったクマ。マドリードの紋章であるクマの彫像に雷が落ちて生き返るという荒唐無稽なフェイク設定で、「クマから逃げるな、クマの前を走れ(No huyo del oso, corro delante de él)」という、Nikeらしい「恐れずに立ち向かう」メッセージに昇華させたクマ。
▎アイデア
Webサイトでは、クマに追いかけられるランナーの内的独白がライトモチーフとなり、2003年としては非常に革新的な体験を提供したクマ。レースへの登録eコマース機能、ポスターをカスタマイズできる仕組み、そして当時先進的だった「顔写真アップロード機能」も搭載。バナーとオーバーレイ広告がシナジーを生む、当時としては極めて先進的なデジタル展開だったクマ。街中ではクマの目撃情報を広めるゲーム的な仕掛けもあり、オフラインとオンラインが絶妙に絡み合っていたクマ。
▎展開・成果
Cannes Lions 2004でGrand PrixとGoldを受賞、さらにOne ShowでGold Pencil、El SolでもGrand Prixと2つのGold、CliosでBronze、FIAPでGoldという圧倒的な成果クマ。DoubleYouはこの作品でスペイン初のCannes Lions Grand Prix Digitalを獲得し、デジタルクリエイティブの歴史に名を刻んだクマ。短期間でレースは「参加したい」という欲望の対象に変わり、後に40,000人が走り、登録開始48時間で完売する規模にまで成長したクマ。
▎余韻
2003年のデジタルで「顔写真アップロード」とか「内的独白を軸にしたインタラクティブ体験」とか、今では当たり前だけど当時は相当攻めてたと思うクマ。何より「バカバカしい嘘から始める」っていう度胸がすごいクマ。クマが逃げ出したって、そりゃ走るよね、っていう強引な理屈なのに、マドリードの紋章という文脈とNikeの「立ち向かえ」っていうブランドメッセージが三位一体になって、ちゃんと感動に着地してるクマ。デジタル黎明期に、ここまでやり切った胆力に痺れるクマ。
▎クレジット
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