ADIDAS|Impossible is Nothing - The Long Run|2004|オランダ
死んだ映像の中に、生きてる足音を走らせた / adidas「LONG RUN」
1974年、ザイールで走るモハメド・アリの古い映像に、ベッカムやジダンが並走して追いついてくるクマ。死んだはずのフィルムに、今の選手が合流している。
背景・課題
2004年、adidasはアメリカ市場でのシェア拡大を狙い、180/TBWAと組んで新グローバルキャンペーン「Impossible Is Nothing」を始動した。2月からテレビ・プリント・ネットで展開され、第一弾に選ばれたのが伝説のボクサーの若き日の記録映像だった。
ねらい・インサイト
スローガンはアリ自身の有名な哲学的言葉から着想を得ている。ならば映像も本人の実際の記録から始めるのが筋だと考えたクマ。過去と現在を同じ画面に並べること自体が、「不可能なんてない」という言葉の証明になっているクマ。
アイデア
ベッカム、マグレディ、ライラ・アリ、ゲブレセラシエ、ソープ、ジダン、モーリス・グリーンという現役トップ選手たちが、1974年の若きアリの朝のランに合流する。精巧なポストプロダクションで新旧の映像をシームレスに融合。監督はLance Acord、制作はPark Pictures。誰も記録を破っていない。ただ同じ道を、同じ方向へ一緒に走っているだけクマ。
展開・成果
180 AmsterdamはConsumer Television部門でゴールドを獲得。公開当日、Yahoo!での「adidas」検索数が125%増加し、最多は13〜17歳の若い男性だったという反応も記録されているクマ。
余韻
アリが実際に走った道を、CGでもセットでもなく本物のフィルムとして使ったのがこの広告の強度だと思うクマ。懐かしさに浸るための演出じゃなく、「あなたたちは同じ道の続きを走っている」と言うための接続。過去を持ち出す広告は多いけど、これは過去に追いつく広告クマ。

