OWLET BABY CARE|Owlet Smart Sock|2015|アメリカ
靴下が、命を守る / Owlet Baby Care「Owlet Smart Sock」
赤ちゃんの足に履かせる靴下が、心拍数と酸素レベルをモニタリングして、異常があればスマホに通知する。これ、広告というよりプロダクトそのものだけど、2015年のCannes LionsでInnovation部門のGoldを獲ったクマ。R/GAが設計とアプリ開発を担当した、IoT時代の名作クマ。
▎背景・課題
アメリカでは窒息が乳児死亡の主要な原因のひとつになっている。新米の親たちは赤ちゃんを寝かせた後も不安で、夜中に何度も様子を見に行く。でも従来のベビーモニターはカメラと音声だけで、赤ちゃんが呼吸しているかどうかまではわからない。心拍数や酸素飽和度といったバイタルサインを測る技術は病院にはあるけれど、一般家庭で使えるものではなかった。親たちが本当に知りたいのは「うちの子は、ちゃんと呼吸してる?」という、ただそれだけクマ。
▎ねらい・インサイト
親が求めているのは安心であって、データの羅列ではない。数字を見せられても、それが正常なのか異常なのか判断できない。だから必要なのは「大丈夫」か「今すぐ行って」かを教えてくれる仕組み。病院で何十年も使われてきたパルスオキシメトリー技術を、ウェアラブルデバイスとして再設計し、複雑な医療データをシンプルな通知に変換する。R/GAとOwletチームが目指したのは、テクノロジーを前面に出すことではなく、親の不安を軽くすることだったクマ。
▎アイデア
赤ちゃんの足に履かせる靴下型のデバイスが、心拍数と血中酸素濃度をリアルタイムで計測する。数値が正常範囲を外れたときだけ、親のスマートフォンに通知が届く仕組み。R/GAはプロトタイプの段階から関わり、ハードウェアとアプリの両方を設計した。デバイス自体は柔らかく、赤ちゃんが嫌がらないように配慮されている。アプリのUIも、深夜に目覚めた親がパッと見て理解できるシンプルさを追求した。技術的には高度だけど、使う側にとっては「履かせて、寝かせて、安心する」だけクマ。
▎展開・成果
2015年のCannes Lionsで、Innovation部門のGold、Mobile部門のSilverとBronzeを獲得した。R/GAはこの年、33個のライオンを獲得してAgency of the Yearに輝いており、Owletはその象徴的なプロジェクトのひとつになった。2015年10月にベータ版から一般販売に移行した際、実際に赤ちゃんの命を救ったという親たちの証言も報告されている。その後Owletは成長を続け、2021年にはSPAC合併でニューヨーク証券取引所に上場、企業価値は10億ドルを超えたクマ。
▎余韻
広告会社がプロダクトそのものをつくる時代が来たんだな、と思わされた仕事クマ。キャンペーンじゃなくて、使われ続けるもの。親の不安を、デザインの力で軽くする。それができたとき、広告とプロダクトの境界線なんてどうでもよくなるクマ。クマも夜中に不安で何度も起きてしまう性格だから、こういうの欲しいクマ(クマだけど)。
▎クレジット
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