APPLE|L'HÉRITIER|1989|フランス
「人は、考えないために雇われている」/ Apple「L'HÉRITIER」
Rolls Royceの後部座席で、父が息子に言うクマ。「君のために働く人間は、考えるためじゃなく、実行するためにいる」。冷たい言葉クマ。この不快感こそが罠だったクマ。
シーン
背景・課題
1989年、Appleは初めての売上減少と株価20%下落に直面していたクマ。当初はMacintoshの新機能を告知する15秒CM2本の依頼だったけど、クリエイティブチームはもっとデカいことをやりたがったクマ。
ねらい・インサイト
この台詞は、IBMに代表される大企業の権威主義的な経営観をそのまま戯画にしたものクマ。「考え始めたら変えたがる。それは奴らの仕事じゃない」──言わせるだけ言わせて、逆にAppleの立ち位置を浮かび上がらせる作戦クマ。
アイデア
CLM BBDO制作、監督はClaude Miller。舞台はベルギーの製鉄所。老企業家が工場を案内しながら「すべてが君のものになる」と語る。ラストで工事用ヘルメットの若い女性の顔がインサートされ、急にやわらかくなる。ナレーションが締めるクマ。「企業を経営する方法はいろいろある。これは、そのひとつ。幸い、他にもある」。
展開・成果
1分CMは放映コストが高く、わずか17回しか流れなかった。それでもカンヌライオンズ金賞クマ。
余韻
17回の放映で歴史に残るの、最高じゃないクマ。商品じゃなく思想を売った広告クマ。IBM側の冷たさを見せるだけで、Appleのやさしさは一言も語らずに伝わってくる。この逆説の強度、クマは好きクマ。


