BURGER KING|WHOPPER SACRIFICE|2009|アメリカ
友情を10人分、炎で焼く / BURGER KING「WHOPPER SACRIFICE」
Facebook の友だちを10人削除すると、ワッパーが1個もらえる。しかも削除された側には「あなたは友情よりワッパーを選ばれました」って通知が行くクマ。2009年、まだソーシャルメディアがピュアだった時代に、バーガーキングと CP+B が投げ込んだ爆弾クマ。わずか10日間で23万人以上が「犠牲」になって、Facebook から BAN されて、でもそれすら話題にして、世界中が「なんだこれ」ってなったクマ。
▎背景・課題
2009年はまだ Facebook がブランドとそこまで仲良くなかった時代。バーガーキングは当時ワッパー50周年を迎えていて、CP+B と組んで「Whopper Love(ワッパー愛)」を証明するキャンペーンを連発していたクマ。Whopper Freakout(店からワッパーを消して客の反応を隠し撮り)、Whopper Virgins(世界の辺境でハンバーガーを食べたことない人に食べさせる)に続く第3弾として、このキャンペーンが生まれたクマ。 きっかけは、CP+B が別のキャンペーンで余った2万5千枚のワッパー無料クーポンを持っていたこと。そこに、「Facebook の『友だち』って、なんか変じゃない?」という洞察が重なったクマ。オックスフォード大学のロビン・ダンバー教授によれば、人間が維持できる社会的関係は150人までなのに、みんな平気で数百人を「友だち」にしてる。でも誰も削除しない、削除の仕方すらよく知らない。そこにメスを入れることにしたクマ。
▎ねらい・インサイト
「バーチャルな友だちと、隣にいる友だちは違う」。CP+B のブライアン・ギースはそう語っているクマ。Facebook が「友情」を再定義しつつあった2009年、そのパラドックスに目をつけたクマ。 面白いのは、このキャンペーンが「商品と何の関係もない」ってこと。ギース自身が認めてるクマ。ワッパーの味とか、品質とか、そういう話は一切なし。ただひたすら「お前、友だちとワッパー、どっちが好き?」って聞いただけクマ。 そして「Facebook には友だちと別れる方法がない」という UX の隙を突いたクマ。削除しても相手に通知が行かないから、みんな罪悪感なく放置してた。そこに「公開処刑」の仕組みを持ち込んで、削除をエンターテインメントに変えたクマ。しかも削除された側にもアプリをダウンロードする理由を与えることで、バイラルの構造を組み込んだクマ。CP+B のロブ・ライリーは「100回コピーを書き直した」と言ってるクマ。
▎アイデア
仕組みはシンプル。WHOPPER SACRIFICE というアプリを Facebook にインストールして、友だちを10人選んで「犠牲(sacrifice)」にすると、無料ワッパークーポンが1枚もらえるクマ。 凶悪なのは演出クマ。削除した友だちのプロフィール写真が炎で燃やされるアニメーションが流れて、「YOU LIKE (名前), YOU *LOVE* THE WHOPPER」ってテキストが表示されるクマ。そして削除された側には「あなたの友情はワッパーの10分の1の価値でした」っていう通知が届くクマ。公開処刑クマ。 Facebook のインターフェースに自然に溶け込むデザインにして、離脱を防いだのも賢いクマ。削除された友だちも「やり返す」ためにアプリをインストールするから、1回の削除が10人の新規ユーザー候補を生むバイラル設計になってたクマ。開発は CP+B が社内で担当、2008年末に完成させて2009年1月5日にローンチしたクマ。
▎展開・成果
わずか10日間で、8万2千人以上がアプリをインストールし、23万3906人の友だちが「犠牲」になったクマ。配布されたクーポンは約2万3千枚。メディアインプレッションは3500万に到達したクマ。 1月15日、Facebook が動いたクマ。「プライバシーポリシー違反」として、アプリの停止を要請。CP+B は何度か Facebook からの修正依頼を無視してたらしいけど、最終的には cease and desist(差し止め)が来て終了クマ。でも実はクーポンも残り2千枚を切ってたから、どのみちそろそろ終わるタイミングだったクマ。 CP+B は「WHOPPER SACRIFICE HAS BEEN SACRIFICED(ワッパー・サクリファイスが犠牲になった)」ってメッセージをサイトに掲載して、Facebook に BAN されたことすらニュースにしたクマ。これでさらにメディアインプレッションが1300万から3200万に跳ね上がったクマ。完璧な炎上マーケティングクマ。 受賞もえぐいクマ。Cannes Lions で Gold、Communication Arts、The One Show で Silver Pencil。そして「unfriend(友達削除)」という言葉が2009年のオックスフォード辞書「Word of the Year」に選ばれたクマ。このキャンペーンの影響は間違いないクマ。
▎余韻
「友だちの価値はワッパー1個分」って、めちゃめちゃ失礼だし、めちゃめちゃ正直クマ。2009年のこのキャンペーンは、SNS の「友だち」っていう概念がいかに薄っぺらいかを、笑いながら暴いたクマ。 クライアントのバーガーキングは社内で8回も企画を殺したらしいけど、アカウントチームが粘って粘って通したクマ。弁護士もスタンバイしてたクマ。そういう「ヤバいけど面白い」を通せる関係性があったからこそ生まれた仕事クマ。 Digiday のオーラルヒストリーで、クリエイターの一人が「テストで同僚の奥さんを削除したらめちゃくちゃ怒られた」って笑いながら話してて、クマは爆笑したクマ。そういう「人間のリアルな感情」を突いた企画だからこそ、今でも語り継がれてるクマ。 2024年のいま、SNS はもっと複雑で、もっと監視されてて、こんなキャンペーンはもう無理かもしれないクマ。でも「プラットフォームのルールを逆手に取る」っていう姿勢、そして「炎上すら計算に入れる」っていう度胸は、いまでも学ぶべきことがたくさんあるクマ。友だち、削除するクマ?
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