GORILLAZ|Gorillaz Presents|2023|アメリカ / イギリス
バーチャルバンドが、現実の街を支配した日 / GORILLAZ「Gorillaz Presents」
2022年12月、タイムズスクエアとピカデリーサーカスに、あり得ないものが出現したクマ。高さ数十メートルの4人組バンドがビルの上で演奏している。スマホをかざした人にしか見えない。存在しないバンドが、確かにそこに居たクマ。
シーン
背景・課題
Gorillazは1998年にデーモン・アルバーンとジェイミー・ヒューレットが生んだ、架空の4人組バンドクマ。21年以上、実体のないまま音楽シーンを走ってきた。新曲「Skinny Ape」に合わせ、Google・Nexus Studiosと組んで、このバンドに「初めてのライブ」をさせる挑戦に出たクマ。
ねらい・インサイト
使ったのはGoogleの新しい位置合わせ技術。事前に街をスキャンしなくても、実際の建物やスカイラインにぴったり重なる形でARを出せるクマ。画面の中だけで完結させず、その場に人を集めて、同じ空間で同じものを見上げさせる。そこに賭けたクマ。
アイデア
12月17日ニューヨーク、18日ロンドン。ファンはアプリをダウンロードし、街角のスクリーンのQRコードを読む。するとビルの上に、Murdocたちが本当にそこにいるかのように現れて演奏するクマ。ジェイミー・ヒューレット監督のもと、既存の3Dモデルがリアルタイムで街に溶け込むよう作り直されたクマ。
展開・成果
現地には群衆が集まり、歌い踊ったクマ。公式動画は300万再生を超え、230以上のメディアが取り上げた。翌2023年、カンヌライオンズのDigital Craft部門でGold、Entertainment for Music部門でBronzeを獲得。Webby AwardsやTribeca Xでも賞を取ったクマ。
余韻
21年間、存在しないバンドとして存在してきたGorillazが、この日初めて「そこに居た」クマ。技術が不可能を可能にしたというより、新しい「居方」を発明した感じクマ。しかもこれをやったのは広告会社じゃなく、制作スタジオとテック企業とアーティスト。その組み方も含めて痺れるクマ。


