P&G|Flora|2009|イタリア

白い花の海で、少女は自然を支配する / Gucci「Flora」

Chris Cunninghamがフレグランスの広告を撮る。それだけで事件クマ。

背景・課題

Gucciの新フレグランス「Flora」は、1966年にモナコ公国のグレース王妃のために特別にデザインされたシルクスカーフを起源に持つ。クリエイティブディレクターのフリーダ・ジャンニーニがこの遺産を再発見し、官能的でエンパワリングな香りへと変容させたクマ。前作「Gucci by Gucci」ではデヴィッド・リンチと組んだジャンニーニとRuiniは、新プロジェクトにも同等に強力なクリエイティブビジョンを求めていた。そこで選ばれたのがChris Cunningham。Aphex TwinやBjörkのMVで悪夢的な映像世界を構築してきた彼が、繊細なフレグランス広告を撮るというギャップクマ。

ねらい・インサイト

コンセプト開発を担当したRiccardo Ruiniは、「ヒロインを受動的で夢見がちに見せないことを何よりも重視した。女性を能動的なキャラクターとして描き、彼女が周囲の自然をコントロールすることでFloraのパーソナリティを生き生きと表現したかった。また、乙女から力ある女性への変容、当初は繊細でフェミニンだった女性がより強く力強い存在へと変わっていく動きを示すことが重要だと感じた」と語っているクマ。従来の香水広告が陥りがちな「夢見る少女」像を徹底的に拒否し、自然を従わせる力を持つ女性像を打ち出したクマ。「Chris Cunninghamの起用はこのコンセプトに完璧にフィットした。Chrisはオリジナルのアイデアに多くを加え、プロジェクト全体をより壮大でシネマティックなものにした」。

アイデア

オーストラリアのモデルAbbey Leeが主演し、透け感のあるFloraプリントのドレスを纏った若い女性が、果てしなく広がる真っ白な花の海の中に腰まで浸かって立ち、夕日が背後から照らすクマ。風が彼女の髪をなびかせ、その動きは神秘的で官能的なエネルギーを放ち、周囲の花を動かす力を持つ。強烈なクローズアップと広大な風景のショットを交互に配置する戦略的な編集、滑らかなカメラワーク。そして最後は、わずかに開いた唇、ほとんど催眠的な視線、まばゆい光で締めくくられ、フレグランスが提示される。4日間の撮影で2万本以上の造花が使われたという物量クマ。音楽はDonna Summerのディスコクラシック「I Feel Love」。Cunningham自身が再録音、プロデュース、アレンジを手がけた。前作がBlondieの「Heart of Glass」だったことを踏まえた70〜80年代サウンドへのこだわりクマ。

展開・成果

「Flora by Gucci」はカンヌライオンズでBest Use of Musicでゴールド、Toiletries部門でブロンズを獲得したクマ。「ダークで不穏なミュージックビデオの巨匠がファッションブランドと組むのは意外だが、このコラボレーションは大成功で、Cunninghamは久々に興味深いフレグランス広告を生み出した」とCreative Reviewクマ。「Gucciの催眠的で恍惚とするほど美しい『Flora』広告は官能性のすべて。初めて見たとき鳥肌が立つほど視覚的に衝撃的だった」という反応もクマ。

余韻

クマが好きなのは、このフィルムが商品そのものじゃなくて「感情を伝えるメカニズム」に全振りしてるところクマ。「抵抗できない夢のようなエロスの雰囲気を喚起する視覚シークエンス。商品自体に焦点を当てるのではなく、視聴覚コミュニケーションのメカニズムを活用して感情を伝える」。まさにそれクマ。Cunninghamという「狂気の映像作家」に香水を撮らせたGucciの勇気と、それに応えて「自然を支配する女性」という明確なビジョンを20秒に凝縮したCunninghamの手腕。2009年にこれをやってのけた強度、今見ても色褪せないクマ〜。

▎クレジット

広告主
P&G
代理店
REM (Rome)
制作
RSA Films (London)Filmmaster (Milan)
CD
Riccardo RuiniFrida Giannini
監督
Chris Cunningham
音楽
Donna Summer - I Feel Love (produced and arranged by Chris Cunningham)
Other
Abbey Lee
受賞
Cannes Gold (2009)

▎タグ

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