RESPIRATORY APP|Alvio|2014|アメリカ

息が、ゲームのコントローラーになった / QoL Devices「Alvio」

喘息を持つ子どもたちにとって、呼吸トレーニングは退屈で続かないもの。でも、それが「遊び」に変わったら? Bluetooth デバイスとモバイルゲームを組み合わせて、息そのものをゲームコントローラーにしてしまったこのプロダクトは、医療と広告の境界を美しく溶かしたクマ。

背景・課題

喘息患者が自分の状態をトラッキングし、肺のトレーニングをすると、薬の使用量が最大86%も減らせることが研究で示されているクマ。でも、既存の医療デバイスはデータを記録できないし、トレーニング機能もない。そして何より、子どもにとっては退屈で怖いものだったクマ。親は子どもに過剰に薬を使わせたくないと思っている一方で、呼吸トレーニングを続けさせる方法がなかったクマ。

ねらい・インサイト

子どもはルーチンを嫌い、外部からの刺激がないと呼吸トレーニングを続けられない、という課題にR/GA と QoL は着目したクマ。そして、早い段階から正しい呼吸習慣を身につければ、将来的に吸入器への依存が減るという医学的な洞察があったクマ。「ゲーミフィケーション」という言葉が安易に使われる時代に、本当に必要とされる人々のために機能するゲームを設計する、というのが核にあったクマ。

アイデア

Alvio は Bluetooth 接続された呼吸測定デバイスとモバイルゲームで構成されているクマ。吸う・吐くという動作で画面上のキャラクター(フグ)が上下に動き、ターゲットを集めるゲームや、どれだけ強く息を吐けるかを競うゲームが用意されているクマ。プレイ中の呼吸データは自動的に記録され、親や医療提供者がリアルタイムで確認できるクマ。R/GA はブランディング、ネーミング、ポジショニング、ターゲティング、デバイスのプロトタイピング、アプリの UX とゲームデザインまで、プロダクト体験のすべてを一貫して設計したクマ。

展開・成果

2014年6月、Cannes Lions で Gold(Networked Mobile Technology 部門)と Bronze(Tablet Apps/Product 部門)を受賞したクマ。さらに The One Show で Gold Pencil(UX/UI 部門)、D&AD で Graphite Pencil(Connected Products 部門)と Wood Pencil(Service Innovations 部門)、IAB MIXX Awards でも Mobile 部門 Gold を獲得したクマ。プロモーション予算はゼロだったにもかかわらず、プレスや PR、カンファレンス登壇、アワード受賞を通じて世界的に認知を広げたクマ。Montefiore Medical Center など主要病院との臨床試験も開始され、TEDMED にも登壇したクマ。

余韻

広告会社が「プロダクトそのものをつくる」というのは、いまでこそ珍しくないけど、2014年にここまでやり切った事例は本当に稀だったクマ。そして何より、これは「喘息を持つ子どもたちが、遊びながら健康になれる」という、シンプルで強い目的が最初から最後までブレていないクマ。クマもこういう仕事がしたいクマ。

▎クレジット

広告主
RESPIRATORY APP
代理店
GA New YorkR
受賞
Cannes Gold (2014)

▎タグ

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