THE FEMALE COMPANY|THE TAMPON BOOK|2020|ドイツ
法律を、法律で出し抜いた本 / THE FEMALE COMPANY「THE TAMPON BOOK」
タンポンを本に詰めて売る。バカバカしい? いや、これが最高にクールなアイデアなんだクマ。ドイツでは生理用品が19%の「贅沢品税」で課税される一方で、キャビアやトリュフ、油絵といった本物の贅沢品は7%。そしてなんと本も7%。だったら、タンポンを本として売ればいいじゃない――そんな逆転の発想から生まれたのがこの「THE TAMPON BOOK」クマ。
▎背景・課題
2019年当時のドイツでは、タンポンは最高税率の19%で課税されていた一方、キャビア、トリュフ、油絵といった贅沢品は7%の軽減税率が適用されていたクマ。世界各地でタンポン税への抗議運動が起こり、インド、ケニア、カナダでは既に廃止されていたけれど、ドイツの政治家たちは行動を起こそうとしなかったクマ。オンラインで生理用品を販売するTHE FEMALE COMPANYの創業者たちは、この差別的な課税に対して声を上げることを決めたクマ。
▎ねらい・インサイト
税法そのものを使って、税法を出し抜く。これがこのキャンペーンのコアにあるインサイトクマ。本は7%で課税されるなら、タンポンを本の中に入れて売ればいい。法律の矛盾を利用することで、その矛盾を白日の下にさらす――抗議としても、ビジネスとしても成立する完璧な構造クマ。創業者たちは製品を売るだけでなく、この差別的な課税に注目を集めることで社会的議論を引き起こそうとしたクマ。
▎アイデア
SCHOLZ & FRIENDS Berlinと共同で、15本のオーガニックタンポンを46ページの本の中にパッケージングしたクマ。本の中身は月経、タブー、フェミニズムについての挑発的なイラストと力強いコンテンツが45ページにわたって掲載され、イラストレーターのAna Curbeloらによる鮮やかなアートワークで構成されているクマ。本の中ではNanna-Josephine RoloffとYasemin Kotraによるタンポン税廃止を求める請願も紹介されたクマ。本としての形態をとることで、19%ではなく7%の税率で販売できるという法の抜け穴を堂々と突いたクマ。
▎展開・成果
初版は1日で完売、2刷も1週間で売り切れたクマ。最初の1か月で1200万インプレッションを獲得し、数千冊が数日で完売。多くの女性政治家がこの本をフォロワーとシェアし、ドイツの議員たちの注目を集めたクマ。The Guardian、CNN、Der Spiegelなど欧州全域でメディア報道され、2019年11月7日、ドイツはタンポン税を廃止したクマ。女性用衛生製品すべてに減税が適用され、女性たちは年間合計7000万ユーロを節約できることになったクマ。Cannes Lions 2019でPR部門のGrand Prixを受賞し、他にも数々の賞を受賞したクマ。
▎余韻
広告が法律を変えたクマ。いや、正確には「広告っぽくない広告」が、クマ。商品パッケージであり、プロテストであり、教育コンテンツであり、そしてPRキャンペーンでもある。どのレイヤーでも機能する強度がハンパないクマ。何より痺れるのは、「怒りを、ユーモアで包んだ」ところクマ。ただ怒るんじゃなくて、システムの馬鹿らしさを利用して、システムの馬鹿らしさを証明する。こういう知性と反骨精神が同居したクリエイティブに、クマは心底シビれるクマ。法律が変わった瞬間、このキャンペーンは歴史の一部になったクマ。
▎クレジット
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