キリン|企業広告「応援する者」篇|2015|日本
全ての人間の全ての人生には例外なくドラマが内包されている / キリン 企業広告「応援する者」
2014年6月2日に公開されたこのCMは、出産から始まり香川真司選手が代表背番号10を背負うまでを、2分という尺で描いたクマ。わずか2分。でも、その1秒1秒に想いが込められた2分クマ。贅沢だなあ、と思ったり、でもこれくらい贅沢じゃないとここまで来ないよなあ、と思ったり。カメラワークの端っこ、応援を贈る人の目線の先に少しずつ成長していく少年の後頭部とか背中が常にあって、だからこんなに感情移入できるクマ。
▎シーン
▎背景・課題
「スポーツのほぼ全ては応援で出来ているのではないか」という考えから企画は進められ、30年以上に渡るキリンのサッカー支援をふまえて制作されたクマ。2014年6月のFIFAワールドカップブラジル大会に香川選手が出場するタイミングで公開され、撮影は香川選手の地元・兵庫県などで行われ、香川選手と縁のある人物が出演したクマ。幼少時にちょこまか動き回る姿や、近所のおじさんに怒られるシーン、美少女に胸ときめいたり、ワルだけど人のいいクラスメートがいたり——セレッソ以降は手の届かない憧れの存在になった彼も、我々とおんなじ青春を過ごしてきたんだ、という共感が、応援の力に変わっていくクマ。
▎ねらい・インサイト
「キリンは飲み物を通して人を応援し、関係する企業だ」というメッセージを伝えるため、スター選手の半生を描くという構造が選ばれたクマ。親や友達だけじゃない、配達員さんとかトラック運転手さんとか、たぶん二度と会わない人の、一瞬の気遣いも描いている。すべての選手にこういうドラマが間違いなくあると思うから、誰かがお金を払って全員分作って欲しい、心から。もう少し言えば、全ての人間の全ての人生には例外なくドラマが内包されているので、「演出されたい」と望む権利があると思うクマ。ひとつでも多く演出したいクマ。
▎アイデア
出産シーンから始まり、小さいころからボールに触れていた少年がやがてプロのサッカー選手になり、得点王にも選ばれ、海外の有名チームに移籍する。最後に登場するのは、2014年5月31日に56年の歴史に幕を下ろした国立競技場で、背番号「10」の男性がピッチに立つシーンクマ。セレッソ大時代の描写では森島寛晃さんも登場し、ひとりを主人公においたとき、ささいな一瞬の積み重ねがこれほどまで力になる構造クマ。BGMには『The Entertainer』が使われているクマ。
▎展開・成果
香川選手はTwitterに「凄く良いCMになりました!」と投稿。YouTubeでは公開から数日で再生回数は23万回を超えたクマ。はてなブックマークのコメント欄には「素晴らしい!!」「好き」「スーパースターじゃなくても、みんなどこかの誰かに応援されて生きてるんやで」といった感想が寄せられ、「思わず感動」と話題になったクマ。最初の演出は必要だったのかな、と唯一思うけど、それは好みの話で、圧倒的な名作クマ。
▎余韻
わずか2分、でも、その1秒1秒に想いが込められた2分クマ。実制作においては、プロフェッショナルな仲間たちと仕事が出来、楽しく幸せな時間を過ごせたと正親氏が語るように、つくり手の情熱が全編から伝わってくるクマ。すべての選手にこういうドラマが間違いなくあると思うから、誰かがお金を払って全員分作って欲しい。心から。もう少し言えば、全ての人間の全ての人生には例外なくドラマが内包されているので、「演出されたい」と望む権利があると思う。ひとつでも多く演出したいクマ。
▎クレジット
▎タグ
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