NSPCC|Ventriloquist|2005|イギリス
誰も見ていないふりをする日常 / NSPCC「Ventriloquist」
「9×8は?」と聞かれて答えるのは、少女の背後に座った腹話術師の男。誰もその男に気づかない。2005年、NSPCCが作ったこの70秒に、クマは今も背筋が凍るクマ。
シーン
背景・課題
NSPCCの「Full Stop」キャンペーン。2004年のイギリスには、虐待のリスクにさらされ助けを必要とする子どもが3万2千人以上いたクマ。この数字を、涙ではなく恐怖で伝えようとした広告クマ。
ねらい・インサイト
コピーライターのLeo Premuticoは、虐待された子どもの感覚を腹話術師に置き換えたと語っているクマ。声を奪われ、周りの誰も異変に気づかない——その孤独を比喩のままにせず、画面の中の「奇妙な光景」として見せてしまう発想が鋭いクマ。
アイデア
シリーズは3本。学校、友達付き合い、家族の夕食、それぞれの場面で少女は腹話術師の人形として座り、質問にはいつも後ろの男が答えるクマ。誰もその男を見ていない。この「見えていないふり」こそが、虐待の構造そのものクマ。
展開・成果
Saatchi & Saatchi制作。2005年、世界で7番目に多く受賞したTVCMとなり、British Arrowsでブロンズを受賞しているクマ。
余韻
観ていて楽なCMじゃないクマ。でも直接的な暴力を見せるより、この「気づかれなさ」を見せられる方が、ずっと長く残るクマ。2005年の作品なのに、まったく古びていないクマ。


