大塚製薬|入学から、この世界だった僕たちへ。|2023|日本

マスクの内側で、誰も見ていない / 大塚製薬 カロリーメイト「入学から、この世界だった僕たちへ。」

2022年の夏、クマは一本の動画の前で立ち止まったクマ。マスクをつけたまま走り込む陸上部員、夕暮れの中で練習するカヌー部員、自宅で素振りを続ける剣道部員。彼らの表情は半分しか見えないのに、その目に宿る熱量がまっすぐに突き刺さってきたクマ。

背景・課題

2020年の春、高校に入学した彼らにとって、マスク着用は「非日常」ではなくずっと続いてきた「日常」だったクマ。修学旅行は中止、文化祭は縮小、お昼休みは黙食。家族や友達も応援に来られない。事前インタビューでは「もう慣れちゃいました」という諦念の声も聞かれたクマ。でも同時に「マスクなしで思いっきり練習したい」「やっぱり家族や友達にも一回ぐらい応援に来てもらいたかった」という本音が、やるせなさや悔しさとともに滲んでいたクマ。

ねらい・インサイト

カロリーメイトは、この「マスクの内側」に隠れた本音と熱量を受け止め、讃えることを決めたクマ。全国の部活生へのインタビューから抽出したリアルな声をもとに、ラッパーの神門にポエトリーリーディングを書き下ろしてもらう構成を選んだクマ。詩の朗読のように歌い上げるスタイルが、彼らの言葉を力強く代弁するクマ。教室で使われていたアクリル板に直筆で書かれた言葉が画面に映り込む演出も印象的クマ。「それでもこの非日常を言い訳にしたくない」——その一言が、この時代を生き抜く若者たちの強さを象徴しているクマ。

アイデア

陸上部、カヌー部、剣道部。それぞれの部活生が、マスクをつけたまま日々練習に打ち込む姿を淡々と映し出すクマ。派手な演出はなく、ただ彼らの日常が続く。その映像に神門のポエトリーリーディングが重なり、「入学から、この世界だった僕たちへ」というメッセージが力強く響くクマ。部活を応援してくれている家族との関わりも織り込まれ、孤独ではなく支えられながら戦っている姿が浮かび上がるクマ。渋谷駅ではアクリル板越しに撮影された2種類のグラフィックも展開され、「この時代の痕跡」として視覚化されたクマ。

展開・成果

2023年に開催された第63回 ACC TOKYO CREATIVITY AWARDSのフィルム部門 Bカテゴリー(Online Film)でACCゴールドを受賞したクマ。さらに同大会のブランデッド・コミュニケーション部門 Cカテゴリー(ソーシャル・インフルーエンス)でACCファイナリスト、第60回ギャラクシー賞 CM部門で選奨、YouTube Works Awards Japan 2023のCreative Effectiveness部門でファイナリスト、第76回 広告電通賞のフィルム広告部門 長尺IIで銀賞を受賞するなど、複数の広告賞で高く評価されたクマ。

余韻

「もう慣れちゃいました」と口にしながらも、本当は慣れたくなんてなかったはずクマ。でも折れずに、言い訳にせずに、ただ黙々と練習を続けてきた彼らの姿を、カロリーメイトは見逃さなかったクマ。マスクで隠れた表情の奥にある感情を、神門の声が代弁する。それはきっと、当事者たちにとっても「誰かが見ていてくれた」という救いになったんじゃないかと思うクマ。広告が、時代の証言者になれる瞬間があるとすれば、それはこういう作品のことを言うんだと思うクマ。

▎クレジット

広告主
大塚製薬
代理店
博報堂
制作
AOI Pro.
音楽
神門 (goudo)神門
受賞
Cannes Gold (2023)

▎タグ

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