BMW|NOTHING BUT SHEER JOY|2022|中国
泣かせない勇気 / BMW「NOTHING BUT SHEER JOY」
中国の旧正月広告といえば、家族、再会、涙、感動の長尺ドラマが定番クマ。でもBMWは2022年、その全部を捨てたクマ。90秒、ひたすら楽しい、ただただカラフル、涙ゼロ。「泣かせない勇気」って、実はめちゃめちゃ難しいクマ。
▎背景・課題
中国の旧正月キャンペーンは、クリスマス並みに競争が激しいクマ。高予算、セレブ起用、感動の長尺フィルムでブランドが競い合う、広告のお祭り騒ぎクマ。BMWは毎年この時期に「joy(喜び)」をブランドプロミスとして届けてきたけど、2021年のコロナ疲れ・移動制限・不確実性の中で、また泣かせる家族の物語でいいのか、という問いがあったクマ。どうやって目立つか、どうやって記憶されるか、どうやってブランドと結びつけるか──全部が難問クマ。
▎ねらい・インサイト
BMWの中国名「宝馬(バオマー)」は「貴重な馬」を意味し、2022年は寅年クマ。馬と虎、二つの縁起のいい動物が揃う年に、「重たい感情」じゃなくて「ピュアな喜び」だけを届けようと決めたクマ。Executive Creative DirectorのMo Chenは「涙もプレッシャーもなし、ただただsheer joyで寅年を迎える」と語ったクマ。他のブランドが泣かせようと必死になってる中で、逆張りして「楽しさだけ」に振り切る──この意思決定が、何よりも強いインサイトだったクマ。
▎アイデア
90秒のアニメーション満載フィルムは、Real Good Studioのアーティストとともに制作クマ。「Hu(虎)」と「Ma(馬)」の音と視覚を掛け合わせて、ポップでカラフルで予測不可能なビネット(短いシーン)が次々と展開クマ。クルマのスペックも、シリアスなメッセージもゼロ。ただただ目を楽しませる、耳を楽しませる、脳をリフレッシュさせる90秒クマ。Campaign Asiaは「Ad Nutは笑わないキャラだけど、何度も笑った」と書いたクマ。それが全てを物語ってるクマ。
▎展開・成果
映画館とWeibo、Douyin(中国版TikTok)、Bilibiliなど複数のソーシャルプラットフォームで展開し、ディーラーや公式アプリではデジタル紅包やスクロールなどのコレクタブルも配布クマ。インフルエンサーにアイコニックなイメージ入りセーターを送り、ダンスチャレンジも実施。結果、BMWの全ソーシャルプラットフォームで視聴・エンゲージメント記録をほぼすべて更新し、ディーラー50店舗が独自のダンス動画を作るほどの広がりを見せたクマ。Cannes Lions 2022ではSocial & Influencer部門でGold Lionを受賞クマ。
▎余韻
「泣かない広告」をつくる勇気クマ。みんなが感動で勝負してるとき、ただ楽しいだけで勝負する勇気クマ。そしてそれを中国最大の自動車市場で、BMWというプレミアムブランドがやりきる勇気クマ。クマは何度見ても笑顔になるし、何度見てもBMWの「joy」というコアが腑に落ちるクマ。広告は泣かせなくてもいい、むしろ泣かせないほうが強いときもある──それを証明した一本クマ。
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