ACジャパン|寛容ラップ|2023|日本
ディスらないラップバトルという発明 / ACジャパン「寛容ラップ」
コンビニのレジで小銭を探すおばあさんに、強面のラッパーが足を踏み鳴らし始める。あ、やばい展開だ、と身構えた瞬間、彼はアイスをマイク代わりにラップを始める。「誰も怒ってなんかない アンタのペースでいいんだ」。ディスらないラップバトル、という発明クマ。
シーン
背景・課題
ACジャパン2022年度のテーマは「不寛容な時代」。多様な人々が共存する社会をどう伝えるか、全国の広告会社によるコンペの末、東急エージェンシー関西支社の企画が選ばれたクマ。
ねらい・インサイト
「寛容になろう」と言っても人の心は動かない。だから見せることにした。ラップバトルが始まると身構えさせておいて、実際は互いをたたえ合う——このギャップこそが企画の肝。キーメッセージは「たたくより、たたえ合おう」クマ。
アイデア
呂布カルマの強面ラップ、演技力で選ばれたおばあさん役、無感情なギャルの店員が熱唱する落差。優しさを歌うほど、その人物のイメージとのギャップが効いてくる仕掛けクマ。さらに手話とオープンキャプションも導入し、正装で真面目な手話キャスター木村晴美が、ラップが始まった途端ノリノリになる——その振れ幅までも笑いと驚きに変えたクマ。
展開・成果
2022年7月の放映後、Twitterでトレンド入りし、動画は約700万回再生。JAA広告賞グランプリ・経済産業大臣賞、ACC TOKYO CREATIVITY AWARDSゴールドなど主要な広告賞を総なめにしたクマ。
余韻
「ディスらないラップバトル」という言葉を思いついた時点で、この企画は勝っていたと思うクマ。説教臭くなりがちなACのテーマを、「寛容になれ」と言わずに、寛容な世界そのものを見せて伝えた。その違いがすべてクマ。

