EMOTION / 感情

期待

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ブラピと、キャメロンディアスと、ソフトバンクと。

SoftBank|ブラッド・ピット|2015

ブラピと、キャメロンディアスと、ソフトバンクと。

初めてテレビで観たとき、さすがに「うおぉ」と声に出して言ってしまった記憶がある。それ以外の記憶は曖昧だけど、Vodafone買って一気に勝負に来る感じみたいなのが社会に伝わってきてて、で、ブラピとキャメロンディアスでどーん、と。ただただカッコイイだけのCMなんだけど、ただただカッコよければいいんだな、って。同じようにジョージ・クルーニーがめちゃめちゃカッコイイやつは翌年かー。構造は似てるんだけど、ソフトバンクの方はコピー一切なしで「=」だけでコミュニケーションしてるのが映像から一切の説明的要素を削っててすごい。

「女の子みたいに」が、侮辱じゃなくなった日 / Always「#LIKEAGIRL」

ALWAYS|#LIKEAGIRL|2015

「女の子みたいに」が、侮辱じゃなくなった日 / Always「#LIKEAGIRL」

「女の子みたいに走って」と言われた大人は笑いながらヘロヘロと手足をバタつかせ、同じ言葉を聞いた10歳の女の子は全力で駆け抜けた。その対比があまりにも鮮烈で、クマは画面の前で固まったクマ。これは、ただの生理用品のCMじゃなかった。思春期に失われる自信を取り戻すための、社会実験だったクマ。

Honda CM「負けるもんか(プロダクト)篇」

Honda|負けるもんか|2015

Honda CM「負けるもんか(プロダクト)篇」

がんばっていれば、いつか報われる。 持ち続ければ、夢はかなう。 そんなのは幻想だ。 たいてい、努力は報われない。 たいてい、正義は勝てやしない。 たいてい、夢はかなわない。 そんなこと、現実の世の中ではよくあることだ。 けれど、それがどうした? スタートはそこからだ。 新しいことをやれば、必ずしくじる。腹が立つ。 だから、寝る時間、食う時間を惜しんで、 何度でもやる。 さあ、 きのうまでの自分を超えろ。 きのうまでのHondaを超えろ。 傑作というほかないんだけど、世の中の捉え方というか、Hondaに対する視線の注がれ方というか、そういうのを本当に丹念に考えたんだろうなあ、という印象が強い一本。「私たちはがんばります」っていうことを言っているだけだし、ともすると「はいはいがんばって」になりそうなテーマを、うまく国民の最大公約数まで持って行った感じ。人はひとりも出てこないけど、けれど、自分を投影したひとが多いんじゃないかしら。大好きです。

ネスカフェ「朝のリレー(谷川俊太郎)」

ネスカフェ|朝のリレー|2015

ネスカフェ「朝のリレー(谷川俊太郎)」

カムチャツカの若者が きりんの夢を見ているとき メキシコの娘は 朝もやの中でバスを待っている ニューヨークの少女が ほほえみながら寝がえりをうつとき ローマの少年は 柱頭を染める朝陽にウインクする この地球では いつもどこかで朝がはじまっている ぼくらは朝をリレーするのだ 経度から経度へと そうしていわば交替で地球を守る 眠る前のひととき耳をすますと どこか遠くで目覚時計のベルが鳴ってる それはあなたの送った朝を 誰かがしっかりと受けとめた証拠なのだ 良い広告を構成する要素のひとつに「新しい視点の呈示」というのがあると思うのだけど、「この地球ではいつもどこかで朝がはじまっている」というファクトにはっとさせられる。あたりまえのことなんだけど、そういえばそうだ、と思い、その気付きが詩の力によって一気に視聴者を遠いところまで連れて行く感じ。ネスカフェはこんなイメージをOwnできて幸せだなあ。ずっとやればいいのに。何年かに一回でいいから。

ドコモ dビデオ CM ①出会い篇 ②転校生篇 石井杏奈 小松菜奈

NTTドコモ|dビデオ|2015

ドコモ dビデオ CM ①出会い篇 ②転校生篇 石井杏奈 小松菜奈

冷静に考えれば「こんなこと起こりえない」と気づくのだけど、もしかしたら四国あたりの自然が残るどこかの公立高校の周りではこういうことが起きているのかもな、起きているんだろうな、と思わせるところに、まさに「物語」のちからなんだろうな、なんて。とにかく石井杏奈と小松菜奈がかわいすぎて、ここ最近で一番繰り返しみたフィルムかもしれないな、と思うほど。ちなみにサービスを使ってみようとか一切思いませんでした。割と広告にやられるほうだと思うんだけど、そのへんのバランス、ね。音楽も向井秀徳風(あくまで「風」)でかっこ良くて、あと、グラフィックもかっこよくて、コピーもかっこよくて、まあ、全部カッコ良かったっす。参りました。

NIKE “Write The Future” / ナイキ

NIKE|Write The Future|2015

NIKE “Write The Future” / ナイキ

サッカーの持つ熱狂、ワールドカップのお祭り騒ぎを、抜群の妄想力(でも、現実もこんなもんなのかな)で描き切った名作中の名作。特にルーニーのおかげで映画1本観終わったよう読後感すら味わえる。ナイキは契約選手の時点でもうそのブランドが体現されていて、世界的スーパープレイヤーであることはもちろんなんだけど、ちょっとやんちゃな、枠に収まりきらない選手とばかり契約してるから、あとはその姿を描けばCMのできあがり、と、企業全体としてブランディングをどのように考えるかちゃんと考える、ということの大切さを感じたりもします。ただ、とにかく好き。

三菱自動車 Heart-Beat Motors CM

三菱自動車|Heart-Beat Motors|2015

三菱自動車 Heart-Beat Motors CM

ドキドキするような自動車、ワクワクするような自動車。そういうことが本質というか、本能を刺激するというか、まあ、車ってそういうことでいい気もする。ぶつからないとか、ピタッと止まるとか、燃費がいいとか環境が良いとか。いいんだけど、そうじゃなくて、ほしいでしょ? 素敵でしょ? みたいな車が、広告が、もっとみたいな! この中だと結婚式間近の女性と父親(これもセオリーのひとつ)を描いたものがとても良くて、新聞15段もすごくすごく良かった記憶があります。三菱自動車ってもはや具体的なイメージがないけど、こういうのもう一度、やらないかなー。

Heineken Star Player / ハイネケンスタープレイヤー

Heineken|Star Player|2015

Heineken Star Player / ハイネケンスタープレイヤー

完成度の高いスポンサードアプリ、というのは簡単だけど、そもそもチャンピオンズリーグにスポンサードしている、という状況があるからこそ、という感じはしますが、それにしても素晴らしいアプリ。TVでスポーツを視聴する、楽しむ、という体験をそもそもからひっくり返しに行っていて、このケースビデオを見るだけでも「ああ、成功してるな」ということが伝わってしまうシンプルさ。日本でもこういうのもっとやったらいいと思うのです。dボタンとかじゃなくて。バスキュールさんあたりががんばるんでしょうか。TVはもっと楽しくなるはず。スポーツ観戦にかぎらず。

読売新聞/企業CM「僕の走れなかった道」篇

読売新聞|僕の走れなかった道|2015

読売新聞/企業CM「僕の走れなかった道」篇

冒頭の「子どもの頃は、みんな、スポーツ選手になりたかった」は賛否両論ありそうなんだけど、これがこの企画の肝であり、これを通せる読売新聞はイカすな、と思いました。ここを飲み込めた人は感動、飲み込めない人は最後まで見れない長尺、という感じかと。わたしは当然ながら前者です。それにしても、こういう作品に対して「脱落した(ように描かれている)側への配慮が足りない」とか言い出す生活者の方が結構いるんだけど、これってどういう現象なんだろう。WEBで可視化されただけで、元々あった感情なのかな。

アミノバリュー「きのうの自分に、勝てる気がする」

大塚製薬 アミノバリュー|きのうの自分に、勝てる気がする|2015

アミノバリュー「きのうの自分に、勝てる気がする」

たくさん出稿していたでも、この商品をたくさん消費したでもないのに、とてもとても印象に残っているCM。Messengersの曲がとてもいいのと、このMovieでいう0:10くらいの、おそらくゴルフボールを探しているであろう女性の首振りがメロディとタイミングあってるなあ、っていうのがものすごく強く記憶されている。リズムが大事で、ノリが大事だなあ、と今思うと感じる。体が動く感じ、というか。そうか、アミノバリューって大塚製薬なのか。大塚製薬っていいCM多いよなあ。あれとかこれとか。

Budweiser Commercial – “All Together Now” / バドワイザー – オール・トゥゲザー・ナウ

Budweiser|All Together Now|2015

Budweiser Commercial – “All Together Now” / バドワイザー – オール・トゥゲザー・ナウ

自分の中では割と世界最高レベルの60秒。何度も何度も観てしまう一本。バドワイザーだからといって飲むところを描かなくてもブランディングはできるし、こういう世界を作ってくるブランドだったら飲んでみようかしら、と飲みつつこのCMを思い返したりしてる。いつか紹介することになるであろうこの作品に影響を与えてるんじゃないかな、と思っているという点からも注目。 まあ、バドのやつも何かから影響を受けているはずで、何者からも影響を受けていないクリエーションなんて、存在しないんだけれども。

全ての人間の全ての人生には例外なくドラマが内包されている / キリン CM 香川真司 「応援する者」篇

キリン|応援する者|2015

全ての人間の全ての人生には例外なくドラマが内包されている / キリン CM 香川真司 「応援する者」篇

わずか2分。でも、その1秒1秒に想いが込められた2分。贅沢だなあ、と思ったり、でもこれくらい贅沢じゃないとここまで来ないよなあ、と思ったり、クマ。最初の演出は必要だったのかな、と唯一思うけど、それは好みの話で、圧倒的な名作。すべての選手にこういうドラマが間違いなくあると思うから、誰かがお金を払って全員分作って欲しい。心から。もう少し言えば、全ての人間の全ての人生には例外なくドラマが内包されているので、「演出されたい」と望む権利があると思う。ひとつでも多く演出したいクマ。

HONDA「試す人になろう」

HONDA|試す人になろう|2015

HONDA「試す人になろう」

「負けるもんか」と(たぶん)ほぼ同時期に突然現れた傑作。「試す人になろう」というメッセージからすると新卒採用向けとかに作られたのかしら。別に破天荒なことをしようとか、あるいはバカをやろうとか、そういう意味ではなく、あくまで前向きに、それでも新しいことにチャレンジするんだ、そういう人がほしいんだ、という意思が強く強く伝わって、ホンダで働きたいと強く思わせる(実際わたし自身も強く思った)一本。現実はいろいろと違う、とかあるんだろうけど、いいなあ、ああいう職場!

日清カップヌードル「SURVIVE!」

日清食品|SURVIVE!|2015

日清カップヌードル「SURVIVE!」

商品特性からCMで行うコミュニケーションまでどれくらいジャンプがあるか、っていうのが大切なのかな、とかまともに考えつつも、「大変な状況にカップヌードル」くらいの伝わり方しかしてない気がしていて、まあ、話題になりゃいいのか、こういうブランドは、と思ったり。作品としては超好きです。ファインセンキュー、アンドユー、ってなんかいいたくなるし。それにしても、オリンピックが近づくにつれ笑えないジョークになってくるから、日本人がんばらないと。特に東京人。

GAP「Girl」

GAP|Girl|2015

GAP「Girl」

そうそう、こういう展開(最後のあたり)だったねGAPって! ジュリエット・ルイスが死ぬほどかわいいので結果Daft Punkも♡出しちゃう。それだけ。確実に左脳で考えてなくて潔い。オシャレでかわいくてかっこいい、以上。ファッションって最終的には理屈で買わないから、ほかのどの分野よりも作り手側のセンスとノリとテンションが大事。あと、身体動く感じってやっぱりいいなー。ダンスできないけど「ジャジャっ!」ってとこに合わせて首振ったりしちゃう。

電車は転職できない。

ハローワーク新潟|電車は転職できない|2015

電車は転職できない。

予算的な制約がいい方向に働くのか、クライアントの胆力がすごいのか、理由はさまざまだと思うものの、ローカルからたまに強烈な名作が現れる。で、これはちょっと古いけど大好きな一本。きかんしゃトーマスかな? というトーンで描いていた序盤から「で!も!」で一気に、世界観はそのままにコアメッセージへ。いや、別に電車と比べる必要なんてひとつもないんだけど、そうだな、人間だから転職できるんだな、と思ってしまう不思議な展開。よくよく計算されている。

ファンタ「先生」シリーズ

ファンタ|先生シリーズ|2015

ファンタ「先生」シリーズ

中高生、特に中学生に強烈にフォーカスして下らなさ(褒め言葉)を極めたシリーズ。最後にキッズが突っ込むところまで含めたフォーマットを統一させて「次何来るかな」と期待感を煽らせる仕組み。上手。教育を取り巻く環境も2003年当時とはだいぶ様変わりしてるけど、「多様性」とか言うんだったらこういう先生がホントにいてもちょっと楽しいのにな、と思う程度に日本の教育には絶望しております。個人的なお気に入りはDJ先生。ノリがいいから。